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30th Anniversary
Blue Notes Orchestra

児山紀芳 氏 (ジャズ評論家・元スイングジャーナル編集長)

 演奏曲目(全10曲)を見てみると、オリバー・ネルソンの< Swiss Suite>、カーラ・ブレイの<Ictus>をはじめ
普段は滅多に聴く機会がないオリジナル曲が並んでいる。<Time For A Change>はスタン・ケントン楽団で
50年代からバリトン・サックスと編曲で活躍したハンク・レヴィ(Hank Levy)の作品だし、<White Cliff>と<Sacred>
はスエーデンのピアニスト、ラース・ヤンソンのオリジナルという具合だ。
また海外ミュージシャンだけでなくトロンボーン奏者 向井滋春の<On Reflection>、 1981年に制作された
森田芳光の映画「の・ようなもの」で音楽を担当した塩村宰の<The CityーPart1、Part2-Part3> (1979年作)
など日本人の野心的な作品もとりあげられている。

これらの曲で多彩にフィーチュアーされるバンドのソロイストの実力も申し分なく、なかではスペシャル・ゲストに
起用された原朋直(トラ ンペット)をフィーチュアーした<On Reflection>、< Gone Gone Gone>、日米をまたに
活躍中のギタリスト、徳永英彰が素晴らしいプレイを聴かせる<The CityーPart1、Part2- Part3>などがさすが
に秀逸だ。

 ともあれ、世界的にビッグ・バンドの存続が危ぶまれている昨今、商業主義に堕すことなく意欲的なレパートリーに
取り組みながら30 年間も研鑽を続けてきた「ブルー・ノーツ・オーケストラ」の近年の集大成ともいうべきアルバムの
誕生に心からの拍手を贈りたい。




瀬川昌久 氏 (ジャズ評論家・山野ビッグバンドコンテスト審査委員長)

 最近のビッグバンド界は、年々数が増え盛んになってきていますが、ブルーノーツのように多彩で幅広く
進歩的なサウンドを志向しているバンドはないでしょう。
スタンケントンやギル・エバンス、オリバー・ネルソンのような貴重な過去の資産を継承し、ラーシュ・ヤンソン
のような最新のヨーロッパ産を吸収するうえに、塩村宰氏のThe City組曲のような忘れかけた日本人の
秀大作を復活してCDに収録することはバンド界全体に大きな刺激になると信じます。



佐藤允彦 氏 (ピアニスト、作・編曲家)

 すばらしいです。実績のあるプロのビッグバンドと立派に比肩していると思いました。
 レパートリーもアレンジも凝ったものばかりだし、録音も「よくぞここまで」です。



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